中島岳志『思いがけず利他』── 「与えよう」と思った瞬間、利他は消える
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「人のために何かしてあげたい」と思うことがある。
でも、その気持ちで動いた親切は、たいていどこかぎこちない。相手に伝わらなかったり、下心を見抜かれたり、「あげた」側が勝手に満足して終わったり。
中島岳志『思いがけず利他』は、その違和感に名前をつけてくれる本です。
利他は、目指した瞬間に利他ではなくなる。それが起こるのは、いつも「思いがけず」だ──という話。
この本について
著者の中島岳志さんは政治学者。震災支援やケアの現場、経済学の贈与論までを横断しながら、「与える」という行為の奇妙な構造を解きほぐしていきます。
読んでいると、自分が過去に受け取った誰かの親切——頼んでもいないのに差し出された何か——をいくつも思い出すことになります。あれは全部「思いがけず」だったな、と。
人間関係に疲れているとき、「良いことをしよう」と空回りしているとき、少し力が抜ける一冊です。
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